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建築家との出会い



tree1 建築家 K先生との出会い


リフォームの依頼先について、私には迷いはありませんでした。
「家を造るときには絶対に、K先生に頼もう」と、心にきめていたからです。

K先生とはいったいどんな方?

今から十数年前、私はOL生活にピリオドを打ち、
インテリアコーディネーターの勉強をするための学校に入りました。
2年間の課程の1年目を終えようとする当時、よく見ていた雑誌のひとつが
PLUS1 Living でした。

活躍中の建築家紹介のページがあり、ページを漫然とめくっていた私は
ある建築設計事務所のページの 次の一文にくぎづけに・・・。

「ただいま、アルバイト募集しています」

自分に建築設計事務所の仕事が務まるかどうかよりも先に、
「どうしてもここに行きたい!現場の仕事を見てみたい!」
との思いが先に立ち、怖いもの知らずの私は、早速その事務所に 電話をしたのです。

数日後、面接。

そこは、奥様とK先生が2人でやっていらっしゃる、
こじんまりとした事務所でした。

はじめて会う、「建築家」という職種のかた。
緊張しましたが、他に応募者がいなかったらしく、採用して頂くことができ、
時給800円でその事務所に、週3日通うことになりました。

そこで仕事をさせていただいた経験は、現在の私にすごく影響を与えています。

K先生が仕事に向かうときの姿勢。

「これでいい」と、自分自身が納得するまで、プランを練りつづけます。
決して、「時間に追われた、満足のいかない仕事はしない」
その姿勢に、会社員生活しか知らなかった私は、大きな衝撃を受けました。

自分の納得のいく仕事のために、ゆっくりと時間をかける。
この贅沢な世界。得難い世界だと思ったものです。

奥様も美人で優しく、今でも、とっても素敵なご夫妻です。

当時、まだお子さま達が5歳と1歳だったと思います。
奥様はお子さま達のお迎えのため、早く家に戻られていましたが
育児とお仕事をこなしていらっしゃるその姿に、じわっと感動を覚えました。

K先生も奥様も、美大出身なので、美の追究には真剣です。

店舗もそれまでにも数件、手がけていらっしゃいましたが、
「ぼくの造ったお店は、どれも繁盛しているんだよ」
と、語っていらっしゃいました。

その後、私はアルバイトをしながらインテリアの学校を卒業して
地元の工務店にインテリアコーディネーターとして就職しました。

・・・が、工務店の利益追求主義に、幻滅をおぼえるばかりの毎日。
K先生の事務所で過ごして数ヶ月間が、とっても懐かしく思われました。

「現実は、厳しいんだなぁ。こんなものか・・・」

そこで私は決心しました。


私がいつか、家を建てる時には絶対にK先生に頼もう。


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